2007年03月06日
魚を釣るということ、海を知るということ

僕たち人間が大気の中で生き、風や気温などの気候条件いわば不可抗力に支配されながら日々を送るように、魚たちは水に依存し、流れや水温に支配されて生きている。
これは当たり前のことだよね。
でもその当たり前を意識しているかどうかで、魚釣りは大きく変わってくる。
海でも渓流でも池でも、状況は違えどやはり水の変化は魚に影響を与える。
とりわけ海釣りは、刻一刻と変化する潮の状態によって魚の居場所やそこにいる魚種までも変わってくるというのが事実。
これをいつも意識できているかどうかが、釣果に関係無いわけないのだ。
ちょうどタイミングを同じくして、サイト「たかがエギング・されどルアー」のテルさんが潮汐に関するとても興味深い記事を公開されたので、そちらもぜひご覧いただきたい。
・関連記事へはこちらから
※テルさんのサイト「たかがエギング、されどルアー」は、2007年一杯を持ちまして、閉鎖しました。
◎今回は少し難しくて内容の濃い、文字が非常に多い記事になりますが、興味のある方はどうぞ続きをご覧ください。

こんな話をしようと思ったのも、僕自身これまでになく苦戦している今だからこそ考察すべき事だと言えるから。
僕は昔からいつも海の表情を窺いながら釣りをしてきた、だから知っていることや発見することがたくさんあって、その結果としてこれまで良い釣りをしてこられたんだと思う。
それでもそんな発見や認識も、大自然を相手にして人間が見出せるものなどきっとたかが知れていて、半分は想像の世界のはずだよね。
要するに、釣りに関して一般に言われていることの半分は人間の憶測とささやかな希望でできていて、残り半分が現実に確かめることのできる事実なんだということ。
理屈で釣果が上がるものなら、誰だってもっと釣っているはずだよ。
でもその理屈や持つべき考え方が無ければ、あの渋い釣果さえも手に入らなかったかもしれない。
理屈と事実の絶妙なバランス、それこそが釣果につながるんだと僕は思う。

■ここでまず上で述べたテルさんの記事の内容を大まかに掻い摘んで説明すると…
「潮回りと魚の活性の関係、上げ潮と下げ潮の魚の活性の関係を調べてみた」
「水位の高さや一時的な潮の動きよりも、その日の潮回りの方が重要な要素になる事例を確認した」
「潮回りの程度によって、プランクトン等の浮遊量にはじまる食物連鎖の起き方が違ってくるのではないかという理論を確立」
「下げ潮時にはたくさん居た魚が、ほんの数時間後の上げ潮時にはまったく居なくなるという事例を確認した」
「一連の調査内容から、メバルは上げ潮時によく釣れるのでは?という1つの結論を見出した」
…というもの。
目的意識をもって調査?しただけあって、非常に興味深い内容だよね。
実は僕も以前、同じようなことをしていた。
釣行の度にその日の潮回りや潮の上げ下げとその時間、潮位や気温・空の明るさなどを記録して、今後の釣行に役立てようと企んでいたわけね。
でも実際やってみると解るんだけど、一度や二度の調査では何も答えは出ない。
だから意地でも何か見つけようと僕は繰り返した。
あの頃僕は週に4回くらい釣行して、その都度記録を取って、それを実に9ヶ月に渡って続けてみた。
「どんな釣り場でも、どんな対象魚でも、だいたいマズメ時はよく釣れる」とか、「ワンド内の居着きの根魚は満潮の潮止まりに良く釣れる」とか、「灯かりに群れる夜のチビメバルも、潮が止まっているときには陰に集まる」とか、常識を再確認したり、それなりに使えそうなパターンをいくらか見つけることはできた。
でもそられがどこへ行っても通用するものだとは今でも思えない。
なぜなら、確信に至るにはいまいち決め手に欠けるからだ。

■たとえばあるパターン、「大潮・下げ潮・ド干潮・夕方」というものがあったとしよう。
ある釣り場Aではそのパターンで爆釣!潮が下げきってヒタヒタの状態なのに入れ食い!ってなことが実際あった。
こりゃ良いなと思い、次の同じパターンの日に別の釣り場Bに行くが、まったくアタリもなし、撃沈…。ということが起こった。
でもその直後釣り場Aに近いC漁港に行ってみると、あらま爆釣!ということも。
じゃあ釣り場Bがダメなんじゃないの?という考えも僕には浮かんだが、それが間違い。
釣り場Aで全然釣れなかった日に釣り場Bに行ってみると、結構釣れたりした。
…それだと結局何も解っていないということ?いや、そういうわけでもないと思う。
潮回りや潮の上げ下げ・天候や明るさ等、多くの条件を満たしていても、「釣り場」という最大の要素が変われば、まったく話が変わってくる。
1×3=3だけど、1×10=10。掛ける条件が変わればときには桁違いにもなるということ。
また、特定の条件に対して影響を受けやすい場所とそうでない場所がある。
沖目に長い一文字がありそこらじゅう波止だらけの大きな港などは、概して潮位・潮流の影響を受けやすい釣り場だ。
一方でまっすぐな海岸線に突き出たテトラ帯や小さな岬などは逆に、そこを流れる潮流に影響を与える要素となる。
「上げ潮時にしか釣れない釣り場」みたいなのが存在するのには、食物連鎖に加えてこのような海の条件の白黒の影響があることは間違い無い。

ある釣り場では「良い」とされた条件が、またある釣り場ではそうではないという事例。
ある条件で確認できたことが、同じ条件の次の日には確認できないことがあるという事例。
そういった、できれば直面したくない「せっかく見出した答えを覆すような事実」をとらえ、そのことについて調べてゆくくらいの探求心が必要だということ。
上で紹介したテルさんの記事・調査内容については、あれも1つの答えだと思うし、覚えておけば必ず強みになることだと僕は思う。
その一方で、反論するわけではないが、皆さんには簡単に信じてしまってほしくない。
「大潮の干潮からの上げ潮」、この条件に釣行したら絶対にメバルがたくさん釣れる。
そんなことは絶対にないということ。
いや、きっとたくさん釣れる場所がある。
僕もそういう場所を知っている。
そう、魚の生態や海の動きを考えて「究極の条件」を見つけたとしても、釣り場が変われば話はまったく変わってくる。
さらに極端な話、ある釣り場で爆釣を体験中に、もっと大きいのが釣りたい!ということで波止先端まで移動すると、アタリすら無い…。なんてこともある。
そう、見事にハマった爆釣スポットでも、その釣り場の中で少し移動するとたちまち爆釣パターンが崩れたりする。

それはなぜだろう?
そこにも色々な要素が絡んでいるのは周知の事実。
ときには光源であり、水温であり、潮当たりであり、潮流である。
■いかなる条件下においても僕がもっとも重要だと考えているのは「潮流」である。
多くの魚が、水の流れてくる方を向いて泳ぐこと、またじっとしていることは有名なこと。
それを釣りをしているときに意識している人はいったいどれくらいいるのかな。
足元の水中に魚影が見える状況などではそれをこの目で確認することができるが、潮の流れる向きが右から左へ変われば、魚の向きは左から右へと変わっている。
このとき魚が、とりわけフィッシュイーターが意識しているのは「捕食スポット」であると僕は考える。
流れは餌となる小魚やエビなどを運んでくる。
流れがぶつかったり巻き込んだりして起こる「ヨレ」や「反転流」、ここにはそうした餌が溜まりやすいだろうとも思う。
ほら、波のはじけた白い泡、あれが同じところに集まっている光景なんてよく見るでしょ。
そういう流れによって起こる「溜まり場」、これはまた流れの強さによって当然位置が変わってくるはず。
もちろん水には深さがあるから、平面的な考えかただけでは不足だ。
僕らのする根魚釣り、これは底を取る釣りだから、海底の地形を把握するのは基本の「き」だったりする。
底を取っていると、べつに根掛かりするわけではないのだけど巻き上げに抵抗のかかる場所や、なんだか大きな高低差の感じられるところがあるよね?
カサゴなんかはそんなところのベタ底でヒットするから解りやすいんだけど、そういう「なんかあるな」というポイントの斜め上あたりなんかでメバルはよくヒットする。
これ、流れを意識していれば、「なんだかわからないけど、あの辺で釣れた」じゃなくなるわけ。
いや、実際はこんな単純なことは無いし、考えれば考えるほど深い。
所詮いろいろな知識をカジった頭で考えた僕の想像論に過ぎなかった。
実際にそれが当てはまる状況を体験することで、自信を持って言えるようになった「想像論」。
でも、流れを意識するようになってから、僕の釣果は飛躍的に良くなったということはここで強調しておきたい。
■サイト「めばるing」内で管理人の健太郎氏がこれと同じ「流れと魚の関係」について詳しく説明された記事があるので、知らなかった人は是非ともご覧いただきたい。
・該当記事はこちらから
◎健太郎氏の記事は挿絵付きで非常に詳しく、僕がこうしてああだこうだ話すよりも、きっと100倍解りやすいと思う…。
でも、僕が彼とほぼ同じことを考えていたということは、正直嬉しいというか、自信につながった。
僕もだてに根魚釣り暦十ウン年じゃないな、と。

なんだか話がまとまっているのか、言いたいことがきちんと言えたのか、僕にはもうわからない…眠たくて!
最後にとりあえず要点を含めた話をしよう。
■「良い条件」を見出しても、それがどこへ行っても通用するわけではない。
■よく「大潮がよく釣れる」と言われるけれど、エリアによっては逆に大潮では流れが速すぎて潮止まりでしか釣りにならない=だから釣れない、という話もある。
■「今日は大潮だから釣りに行く!」とか「小潮だから家で寝とく!」というふうな根拠の無い解釈をしてしまうと、実はとても損をすることになるかもしれない。
■初めて行く釣り場などは特に、そこがいったいどのような条件が理想的なのか解らないというのが事実。そんなときは、潮がどうとか悩むまえに行ってみよう。
■海水温が急低下したときなど普通はかな〜り釣れなくなるが、そんな日にこそ魚が集まって爆釣する釣り場もある。
潮汐・潮の流れ・光源・水温、たくさん要素が複雑に絡み合い、この広い海の中で運良く僕ら釣り人の手の届くところに寄って来てくれる魚たち。
そしてさらにそれを獲るための腕と知識が必要で、簡単には釣られてくれない。
釣りって難しいのかな。
でも、ここまで夢中になれることって幸せだと思うし、僕らは飽きることなんてないんだと思う。
魚のこと、海のこと、まだまだ全然わからないよ。
だから一生懸命になれるのかな。
いやほんと楽しい。
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この記事へのコメント
1. Posted by
テル
2007年03月07日 00:16
どうもです。
たかがエギング、されどルアーのテルです!
今回の記事はとても役に立ちました!
活字離れ世代の僕には読むのが大変でしたけど(笑)。
でも、またお役立ち記事期待してますね。
それより、ウチのサイトをちゃんと見れくれてるんですね〜。感謝です!
たかがエギング、されどルアーのテルです!
今回の記事はとても役に立ちました!
活字離れ世代の僕には読むのが大変でしたけど(笑)。
でも、またお役立ち記事期待してますね。
それより、ウチのサイトをちゃんと見れくれてるんですね〜。感謝です!
2. Posted by
Popy
2007年03月07日 06:42
>>テルさん
もちろんいつもちゃんと見させていただいてますよ。
だから、しょ〜もないこと言ってみちゃったりなんかしてるのも、みんな知ってます。
今回の記事では、勝手にテルさんの話を引き合いにだしてしまって半ば強引に書き綴りましたが、メバリング人口が爆発的に増えつつある今こそ、必要な内容では無いかと思い公開しました。
メバルってかなり流れと明るさに敏感なんですよね。
釣る側が意識するかしないかで、圧倒的な釣果の差が出ると思います。
また今度一緒に釣行するときには、いろいろと熱く語らいましょうか(爆)
先日はボ○ズでしたが…
もちろんいつもちゃんと見させていただいてますよ。
だから、しょ〜もないこと言ってみちゃったりなんかしてるのも、みんな知ってます。
今回の記事では、勝手にテルさんの話を引き合いにだしてしまって半ば強引に書き綴りましたが、メバリング人口が爆発的に増えつつある今こそ、必要な内容では無いかと思い公開しました。
メバルってかなり流れと明るさに敏感なんですよね。
釣る側が意識するかしないかで、圧倒的な釣果の差が出ると思います。
また今度一緒に釣行するときには、いろいろと熱く語らいましょうか(爆)
先日はボ○ズでしたが…
3. Posted by
テル
2007年03月07日 19:43
僕はボ○ズじゃないですけどね。
散歩はしたけど。
近々例の場所にベッコウゾイか
明石で根魚狙いましょ!
散歩はしたけど。
近々例の場所にベッコウゾイか
明石で根魚狙いましょ!
4. Posted by
ゆうぽん
2007年03月09日 23:31
はじめましてPopyさん、テルさん。
双方のサイトは以前より、大変興味深く拝見させて頂いてます。
なかなかコメントが出来ないのは恥ずかしがりやと言うことでw笑
今回の潮汐については大変興味深く、私自身もホームとしている有明海でもこの潮の流れというものが大変大きな意味合いをもっていて、こうやって具体的に文字にされているのを拝見し、いろいろと思い返す事が出来ました。
実際、干潮では明らかに干上がる所もあるのですが、逆にポイントを絞りやすく、爆釣することも多々あります。
今後も楽しみに拝見させて頂きます。どうぞよろしくお願いします。
あと、事後報告になりますが、勝手にリンクさせて貰ってます、ご了承下さいませ。
双方のサイトは以前より、大変興味深く拝見させて頂いてます。
なかなかコメントが出来ないのは恥ずかしがりやと言うことでw笑
今回の潮汐については大変興味深く、私自身もホームとしている有明海でもこの潮の流れというものが大変大きな意味合いをもっていて、こうやって具体的に文字にされているのを拝見し、いろいろと思い返す事が出来ました。
実際、干潮では明らかに干上がる所もあるのですが、逆にポイントを絞りやすく、爆釣することも多々あります。
今後も楽しみに拝見させて頂きます。どうぞよろしくお願いします。
あと、事後報告になりますが、勝手にリンクさせて貰ってます、ご了承下さいませ。
5. Posted by
Popy
2007年03月10日 19:31
>>ゆうぽん さん
初めまして。いつも「Always 冒険」をご覧頂いているようで、ありがとうございます。
今回の記事ですが、皆が「なんとなく解ってはいるが、はっきりしない」こと、それが実はとても大切なことだと思い、1つの壁を乗り越える手助けになれれば…という意思で公開しました。
良い感想を聞かせていただきまして、安心です。
リンクの件ですが、ありがとうございます。
こちらからもリンクさせていただきましたので、今後とも相互の情報交換等うまくやっていけるように頑張りましょう。
地域はやや遠いですが、ターゲットが同じなら、きっと共通して通用する戦略や考え方があるはずですからね。
初めまして。いつも「Always 冒険」をご覧頂いているようで、ありがとうございます。
今回の記事ですが、皆が「なんとなく解ってはいるが、はっきりしない」こと、それが実はとても大切なことだと思い、1つの壁を乗り越える手助けになれれば…という意思で公開しました。
良い感想を聞かせていただきまして、安心です。
リンクの件ですが、ありがとうございます。
こちらからもリンクさせていただきましたので、今後とも相互の情報交換等うまくやっていけるように頑張りましょう。
地域はやや遠いですが、ターゲットが同じなら、きっと共通して通用する戦略や考え方があるはずですからね。



